機能が、美しさを決める。F/CE.という選択
アウトドアとファッションの交点で、ある種の静けさを持って立っているブランドがある。F/CE.(エフシーイー)だ。デザイナーの山根敏史が2010年に「Ficoture」として愛知でスタートし、2016年に現在の名称へ改名。「Functionality / Culture / Exploration」——その三つの軸は、ブランド名の頭文字そのものを構成している。機能のために形を削り、文化のために素材を選び、探求のために常に前へ動く。その姿勢が、一着一着に静かに宿っている。
今回は現在セール中のF/CE.から、着方を問わない三着を選んだ。どれも機能素材を軸にしながら、街に持ち込んでもしっくりくる設計になっている。
| アイテム | テイスト | 一言 |
|---|---|---|
| バッグシャツ | 実験的・2WAY | シャツとバッグを同時に持ち歩く、新しい問いかけ |
| マイクロフト フーディ | テック・日常対応 | 撥水×プルオーバーで雨の日の相棒になる |
| パーテックス 2.5 トラウザーズ | アクティブ・都市対応 | 防水透湿とテーパードが同居する下半身の答え |
F/CE. BAG SHIRT — シャツがバッグを連れてくる
シャツとバッグが一体になっている、と聞いてどう感じるだろうか。奇をてらった仕掛けではなく、「持ち物を減らして動きを軽くする」という至極まじめな思想から生まれたアイテムだ。前面のポケットはそのまま小型バッグとして取り外しができる2WAY仕様。ゆったりとしたオーバーサイズのシルエットは、腰まわりを隠しながら上半身に空気を通す。サックスブルーのカラーリングが、初夏の光に対して遠慮がない。F/CE.らしいのは、この「遊び」が機能から外れていない点だ。持ち運ぶ、着る、脱ぐ——その一連の動作がこの一枚に収まっている。
スタイリング:ブラックのワイドパンツ+白スニーカーで合わせ、バッグ部分を外してウエストポーチとして使う都市型コーデ。
MICROFT HOODIE — 雨音を気にしない日の話
マイクロフト フーディは、F/CE.の機能思想をもっとも素直に受け取れるアイテムだと思う。撥水加工を施した生地を使ったプルオーバー型のフーディで、軽量でありながら水を弾く。ライトグレーのカラーリングは主張を持たない代わりに、あらゆる色の服と干渉しない。フードの立ち上がりも整っていて、被っても被らなくても形が崩れない。アウトドアギアとしての正直さが、街に出たときの清潔感につながっている。F/CE.の服が好きな人は、たぶんこういう一着を探している——どこにでも持っていけて、何にでも合わせられて、でも安っぽくならない服。
スタイリング:カーゴパンツ+トレッキングシューズで旅行先の街歩きに。バックパックとの相性も抜群。
PERTEX 2.5 TAPERED TROUSERS — 動けるのに、きちんと見える
PERTEX(パーテックス)は、英国発の高機能テキスタイルだ。軽量・防風・撥水を高次元でまとめながら、ゴアテックスとは異なるしなやかさを持つ。F/CE.はそのパーテックスを2.5レイヤー仕様で使用し、防水透湿性をボトムスに落とし込んだ。テーパードシルエットという選択が効いている——裾に向かってすっきり絞り込まれた線は、機能素材でありながら単なるアウトドアパンツとは違う立ち姿を作り出している。ブラックであることで、トップスの選択肢が広がる。晴れた日も、雨の日も、急な山道でも。このパンツが「今日どこへ行くか」の制限をひとつ外してくれる。
スタイリング:白のオーバーサイズスウェット+ローカットスニーカーで、テック素材をカジュアルに落とし込むミックスコーデ。
F/CE.が好きなら、こういう服も
F/CE.の、機能を入り口にして美しさを引き出すアプローチが刺さるなら、and wanderはほぼ確実に好みに合う。池内啓太と森美穂子によるブランドで、ISSEY MIYAKE出身という背景からか、テック素材の扱いに独特の感性がある。もう少し都市側に引っ張るならGraphpaper——南貴之が手がける服は機能素材こそ使わないが、「日常の中の構造美」という点でF/CE.と静かに共鳴する。いずれも、服を理屈で選びたい人間が最終的にたどり着くブランドだと思う。
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